2014年1月6日月曜日

習うより慣らし保育

年明けの仕事復帰に向けて、着々と準備していたはずだった。

 年末最終週にいわゆる「慣らし保育」で3時間から一時間ずつ増やしていき、完成させて冬休みに入って育休最後の愛情たっぷり注いで年を越し、年明け初日からフルタイムで出社。冬休みは遠出できない代わりにシティホテルでセレブな一泊。…そうスムーズに行くわけないけど、できるだけの手は打ったつもりだったのに。甘い、甘過ぎでしたね。way too sweet!  で、実際は。

 慣らし保育初日。ホッとするような暖かい陽射しを浴び、抜けるような青空を仰ぎながら、眩しくてちょっと切ないけど気持ちが良い、子どもを預ける初日の実感を、あたしは一生忘れないだろうと思ったんだった。片道30分、寒い思いをさせずに済んで良かったと。

 わけも分からず、責めるでも戸惑うでもない四カ月児を保育園に預けて最初の三時間、できたことといえば役所に諸手続きに行っだけ。子どもの心配をする余裕もないほどのわずかな時間だった。でも、迎えに行くと様子が少しおかしかった。帰りに見上げた空は曇っていた。泣けないはずのドライ・アイなのに。

 そこからはもう、嵐のように。保育園を変えたい一心で、協力も仰いで何十件と問い合わせ、奇跡の一件、隣の区に空きを見つけて即日転園手続き。入園健診に行ったら水疱瘡の疑いをかけられるも、年明け入園のめどだけはつけて、ホテルステイはキャンセル、年末年始は引きこもって過ごした。予定は大きく狂ったものの、安心して預けられるところが確保できたので気分良く年を越せた。幸い水疱瘡でもなかった。

 最初の無認可保育園は、平たくいえばあたしには「合わなかった」。余裕がないだけで悪意はなかったと思う(思いたい)ので告発する気はないけど、「是が非でも変えたいと思う理由」を書き出したら、三日しか預けていないのに16項目あった。行く度に忘れられていて(パートのおばちゃんが毎回違う)「見学ですか?」と聞かれることに始まり、迎えに行くまでオムツを変えない、でも使用済みオムツが散乱している、その中を年長の乳児がハイハイしている、ミルクを与えなかった理由を「飲みたがらなかった」と言われる、記録が一切ない、ネズミが出る…等々あったけど、決め手は子どもの表情だった。額に絶望の文字が浮き出て見えるような表情、加えて鼻水が頬から目元まで固まっていて、ふやかさないと取れないほど。

 未然に防ぐことはできなくても、起こってしまったことに全力で対処する。それしかないす、それしか。年明けから、リセットして慣らし保育スタート。月並みだけど、親も子も慣らす保育なのね。