酒飲まないの、二日酔い? と聞かれたので、「妊娠した」とさらっと返すと、一瞬の間の後、「なんで!? マジで!?」という反応だった。なんでって。友だちの婚約祝いが会食のテーマだったので、主役の座を奪わないようにあっさり流すつもりだったのに、そうもいかず。
「産むの!?」と重ねて主役の彼女が聞く。産むの、って。選択肢は別にないでしょう、と答えると、「あるよ。堕ろすならまだ間に合うよ」と。新しい反応だな、とたじろぎつつ、選択肢としてないことを告げると、なにやら納得がいかない様子で「アンタが妊娠ねぇ」とつぶやく。
ひと仕切り婚約に至った流れと今後の予定についての話で盛り上がった後に、話がまた戻ってきて、「で、どうなの妊婦」と話をふられる。昨日知りたての「会陰切開」について語ると、案の定誰も知らなかったので、wikipedia で調べてエグい図解を共有する。切って縫えば治るって、誰に見せるもんじゃなし、と慰められるのだが、切るも恐怖、縫うも地獄、でも何が嫌って、市場価値が下がること?
主役が「決めた、あたし、結婚して何年か経って退屈しても、子どもは産まずにネコ飼うわ」と、婚約したばかりのくせに宣言する。「アンタも間に合うって」。ろくなこと言わないな、と普段なら軽く流せるところなんだけど、ホルモンバランスのせいか、一人だけ酔ってないせいか、いつもよりイラッとする気持ちを抑えられない。
「でもさ、普通、結婚した時点でもう市場になんか出るつもりもなくて、子どもができたら幸せいっぱいで産むのに必死だから傷なんて気にしないんだろうけどね。降りたくない気持ちのまま妊婦だから辛いよね。」指摘はごもっともな部分もあり。
現役ぶって何がしたいわけじゃないし、市場価値、っていったって、酔った勢いであわよくば的に誘われること? そんなものは価値とは呼べまい。でも、私の会陰…昨日まで名称すら知らなかったそんな部位がこんなにも愛しいなんて。
断ち切れない現役感と会陰への執着はありつつも、消極的なようでいて自分は少なくとも「堕ろす選択肢は考えなかった」ことを認識したのでよしとしよう。友はろくでもないことを言うが、想定外だからこそ友情が続いているのだ。
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