朝目覚めたら、カーテンの隙間から差し込む陽射しが眩しくて、それがただただ愛しくて、安らぎと希望が胸を満たすのを感じながら、ああ、終わったんだ、と思った。
…ってな具合にね、終わるもんなのかと思ってたんだけど、つわりってやつが。そもそも「うっ」って口を抑えてバタバタとトイレに駆け込むとか、食べづわりとか吐きづわりとか土が食べたくなるとか、典型的な症例がなかった分、終わりもそんな明快にはいかないようで。唯一の、妊娠によってもたらされたであろう症状が消えたので、峠は越したのだと思うことにした。
酒に異常に弱くなったと悩んで妊娠に気づかないでいるうちにピークを過ぎてしまったらしいあたしのつわりだが、妊娠を認識してからの特殊な症状としては、朝の鼻血と、それに伴う異常な起きにくさ(頭が覚醒しているのに体がついてこない)、それから満員電車の体臭で引き起こされる吐き気というのがあった。体臭なんて好きな人はいないし、季節替わりはいつも嫌な思いをしていた気もするんだけど、嗅いだ瞬間リバースしそうなあの衝動(駅のトイレで一回リバースして以降は通勤時間をずらした)は、特別な域に入ると思う。
鼻血はやっぱり異常だし気持ち悪いし、つわりの一種だろうと思っていてもなんだか不安なので、「霧が晴れて夢のようにポジティブになる」と言う人がいるつわり明けを楽しみにしていたんだけど、鼻血が一日置きに、あ、二日出てない、とか思ってるうちに、いつの間にか過ぎ去っていたようだ。別れを告げることもなく。
実は体調の平常化と同じくらい、「霧が晴れたような前向きさ」が湧き出すのを楽しみにしていたのだけど、何も兆候がない。妊娠していることが嬉しくて世界中に告げたくて、とか、生へのリスペクトがあふれてウキウキワクワク、とか書いてあるんだけどね、物の本には。どこよそれ。
でも考えてみれば、基本が後ろ向きでネクラで妊娠にも消極的なあたしが、ニュートラルな気分になっていること自体、+要素が働いているのかもしれない。マイナススタートだから0になったってだけで。ヤダヤダヤダもう妊婦やめたい、黒ずんでいく体なんていらない、浴びるほど飲みたい、つーか飲み友だちもみんな妊娠すればいい、…とか思わなくなったし。つわりが明けたというよりは、つかえがとれた、諦めがついた。
これからものすごい晴天がくるのかも、という淡い期待もないではないが、梅雨が明けただけでも良しとしよう。鼻血ストップ、バンザイ。
0 件のコメント:
コメントを投稿