2013年2月26日火曜日
オンナを辞めるわけではないが
ジムは、妊婦向けアクティビティが充実しているところもあるのだろうが、通ってるところは地元の小規模ジムなのでそんなものはない。あっても行かないだろうけど。おめでたがられるのも噂されるのもめんどくさいので退会理由は「病気」に◯をした。つっこみにくいのでつっこまれない。熱心だったわけじゃないけど、週二回くらいは来ていたので、なんとなく名残惜しくはある。目指した数値も達成できないまま…あたしはいつここに戻って来れるんだろうか。
エステというか、筋トレやらマッサージやら、要はボディメンテナンスを選べるチケット制の施設。思えば、妊娠二ヶ月でも、気づきもせずに腹筋に精を出して、腸セラピーで全力で揉みだしてもらってたよ。一向に痩せなかったのは妊娠のせい…かしらん。こういうところは解約を申し出ると説得とDM攻撃に転じそうなので、きっぱりと妊娠を理由に退会した。再開するのは、ジムよりハードル高いだろうな。
そして脱毛。Iライン、Oライン、痛み堪えて通ってたのに。だいぶ恥ずかしかったけど、今となっては愛おしい、傷が付く前のあたしの会陰。生涯現役宣言で続けてきたけど、中途解約ってのは、やっぱり現役引退ってことかしら。しかも妊娠すると一時的に体毛が濃くなるらしい。物の本には、腹にも毛が生えると書いてある。そんなんで保護にならないだろうに…ムダに増えるムダ毛。改めて見てみると、値崩れする前に十万円以上かけたワキにうっすらと産毛が見え隠れしてきた。どうしてくれるんだ!? オンナであるあまりにオンナから離れていくことの不条理…。
2013年2月18日月曜日
寝ても醒めても会陰のこと
切った後にきつめに縫ってもらえばちょうどいいよ、と親友は言う。もう全然復活しなくてセッ◯スライフは最悪になるらしいですよ、とまたある友人が脅す。どちらも出産経験はない。人の気も知らないで!
絶対買わないだろうと思ってた『たまごクラブ』をとうとう買ってしまった、「会陰切開切らないで済むコツ」がどうしても読みたくて。アサ芸を買うより数倍恥ずかしくて勇気を出して買うまで書棚の前を行ったり来たり。そうまでして買った甲斐あって、カレンデュラオイル(なんじゃそれ)やアーモンドオイルでマッサージをして拡げておくと、切らずに済む可能性がある、という新事実が分かった。へー。
でも、拡げるって、どうよ。二十数年、締めることに注力してきた筋肉を、自らの手(とナチュラルオイルの力)で逆に拡げるって。切れ目はないけどユルむ、というのは別の悩み。しかも、うまく拡がらなければ、自然に切れてしまって縫い合わせにくい、という最悪の事態にもなりうる。拡げるべきか否か、それはそれは難題。とりあえず、「生活の木」にオイルを仕入れに行きますか…。
2013年2月15日金曜日
妊婦の記録写真
でも私が最近、撮っておきたくて仕方がないのは、横から見た腹のショットではない。黒ずんでいくという噂がある、乳首だ。ビーチク。まだ変わってない気がするけど、見慣れているだけかもしれないし。髪の毛のダークブラウンのカラーリングが徐々に落ちていくように、ある日ふと気づくと「だいぶ黒くなってる〜!」という事態に陥るかもしれない。なのに美容室の予約では解決できないのだ。あな恐ろしや。
変化を記録するためにスマートフォンで毎日撮ろうかとも思えど、写真を人前でブラウジングして探したり、自分の手元とはいえ自動アップロードされたりすることを考えると迂闊なことはできない。日々目に焼きつけて黒ずみを見逃さないようにしよう、と、今日も、じっと、乳を、見る。
2013年2月7日木曜日
オトナの事情
驚いたことに、彼はどこで配布されているかを初めて知ったのではなく、Mマークそのものの存在を今さら知ったのだ。これまで視界に入ったことがないらしい。ひとでなし。なんつって。見えても特に意識してこなかった私の方がひとでなしかもしれない。いや、無視していたわけではないが、座ってたら立ち上がるなり、立ってたら離れるなりを黙ってするだけで、大袈裟に譲る姿勢はアピールしてこなかった。気恥ずかしくないか?
Mマークをつけている人は何を求めているのだろう。席を譲られることを? 近くで煙草を吸うのを躊躇されることを(喫煙席にも関わらず)? 優しい眼差しと好意を? しかしそんなものはほとんど期待できない、とは、妊婦を卒業した友だちの弁。席を譲られたことなんか数えるほどしかないよ、と。じゃあますますなんで? 大体、車内は携帯に目を落としている人ばかりでMマークにも気づかんだろうよ。
そもそものMマークの主張やその効果について懐疑的で、それに妊婦ということであえて目をつけるワルモノも世の中にはいるように思えて。でも私がMマークを着用しようとは思わない最大の理由は、誰にでも事情がある、というのが世の真理だと思うからだ。そしてそのほとんどは表立っては見えない。
ペースメーカーをつけている、人工透析を受けている、耳が聞こえない、来週大手術を控えたばかりだ、原因不明の偏頭痛が続いている、魚の目が死ぬほど痛い、祖母が危篤なのに仕事に行かざるをえない、世紀の大失恋で死にたい気持ちを抱えている…。あるいはそこまでではなくても、膝から崩れ落ちそうで、立っていられそうになかったり、誰かれ構わず労ってほしかったりしても、それをアピールするためのマークはない。誰にでも事情がある。そんな事情を胸の、体の内に抱えて生活を続けるのがオトナなのだ。
つうわけで、オトナの女を標榜したい私はMマークを放置しているわけだけど、捨ててないあたり、「いやー、やっぱ気休めにはなるわ〜」なんてそのうち付けてたりして。妥協するべきときは容易く妥協する、それもあるいはオトナの事情なのだ。ちゃんちゃん。
2013年2月6日水曜日
予定日は成瀬巳喜男
さっそく書店で手に取ると、「『おめでたですよ』と医者に言われて、『めでたいですかねえ』と訊き返してしまった」と帯にある。これは確かに、そこここにある懐妊礼賛の物語とはひと味違う、と思ってさっそく読み進めた。読んだ。だが。
十月十日とやらを経ていくにつれての主人公の微妙な気持ちの変化、どこかからプラス思考が湧いてくるその感じに、十二週目で取り残されている私は全然シンクロできなかった。な、な、な、なんで今、急に肯定的な気持ちになったの? トリガーは? と戸惑うばかり。小説に指南書の役割を求めてはいけない。
気を取り直して、じゃあ私の予定日が誕生日の有名人は、と調べてみたのが本投稿のタイトル。立派立派。でもほかの有名どころは、際立つところで梅宮アンナ、アグネス・チャンなど。
結論1。予定日がずれても、あまり惜しい気がしない。結論2。この本の良さが分かるのは、その予定日とやらが無事過ぎて、何ヶ月か、もしかしたら何年か経ったあとなのかもしれない。
2013年1月26日土曜日
おしゃべりなオトコは嫌いだってば
妊娠云々よりも腰痛のほうが急務なのに、整形外科では湿布薬を処方されただけ、安定期前ということで整体やマッサージ、鍼灸も受け入れてくれない。駅前で見かけたところを片端からあたって同意書を書くことを条件に施術してくれたカイロプラクティックがあった。
予約を受け付けないので、待合室でマンガを読みながら延々と待たされるその院は、一度呼ばれてマッサージを受けてから、またしばらく待った上で整体師の施術を受けるというシステムだ。藁にもすがる思いで行った一回目で少し痛みが軽減されたので、「出産まで毎週通うのが理想」という向こうの指示に応えるのは難しいだろうと思ったけど、とりあえず二度目も行ってみた。
前週とは違うマッサージ師にあたる。カルテの妊娠週数の記述を見たのであろう彼は、「おめでとうございます」と言ったあとに、「ボクも二歳児がいるんです」と話しかけてくる。マッサージ中に格別話したくないし、ましてや彼の息子のことなんてどうでもいいんだけど、一応「あ、そうなんですか〜」と、素っ気なく聞こえない程度に語尾を伸ばして答えてみる。が、それをすぐさま後悔することになる。
「もう産む病院とか決めてます?」に始まる彼の話は、「妻はすごく計画を練ってたんですけど、ギリギリで帝王切開になっちゃって」「立ち会えなかったし、痛そうだし、それは残念でしたよ」「子どもはかわいいんですけどね、ずっと一緒に居ると頭がおかしくなりそうで。こんなこと言っちゃアレですけど、ここ、出勤する場所があって良かったなって思いますよ。逃げられて。女性は大変ですよね、ほんと」
マッサージは下手なのに口は達者で、こっちがああ、とかうう、とかしか発語していないのに、話が止まらない。こんな立ち入った内容を客との世間話に使われて、この人のヨメも大変だろうな、といらん心配をしてしまった。妊婦ケアを謳い文句の一つにしてるのに、毎度こんな話をしてるんだろうか? そのあと30分以上待たされてからようやく対面できた整体師は寡黙で、施術も的確だった。
軽率で配慮が足らなくて技術力もないマッサージ師にはうんざりしても、整体のためならリピートしていたかもしれない。でもあたしは気づいてしまった。軽率なマッサージ師よりも、彼に猛烈な嫌悪感を抱き、心で悪態をついてしまう、自分の中のブラックはもっと嫌なのだ。これは妊娠の作用なのか? つわりの一種? 体は多少ほぐれても、気持ちが凝り固まっていくようじゃどうしようもないのでこの院とはさようなら。腰痛とはまだまだ付き合うことになりそうです。
2013年1月25日金曜日
まだ間に合う、と友は言う
「産むの!?」と重ねて主役の彼女が聞く。産むの、って。選択肢は別にないでしょう、と答えると、「あるよ。堕ろすならまだ間に合うよ」と。新しい反応だな、とたじろぎつつ、選択肢としてないことを告げると、なにやら納得がいかない様子で「アンタが妊娠ねぇ」とつぶやく。
ひと仕切り婚約に至った流れと今後の予定についての話で盛り上がった後に、話がまた戻ってきて、「で、どうなの妊婦」と話をふられる。昨日知りたての「会陰切開」について語ると、案の定誰も知らなかったので、wikipedia で調べてエグい図解を共有する。切って縫えば治るって、誰に見せるもんじゃなし、と慰められるのだが、切るも恐怖、縫うも地獄、でも何が嫌って、市場価値が下がること?
主役が「決めた、あたし、結婚して何年か経って退屈しても、子どもは産まずにネコ飼うわ」と、婚約したばかりのくせに宣言する。「アンタも間に合うって」。ろくなこと言わないな、と普段なら軽く流せるところなんだけど、ホルモンバランスのせいか、一人だけ酔ってないせいか、いつもよりイラッとする気持ちを抑えられない。
「でもさ、普通、結婚した時点でもう市場になんか出るつもりもなくて、子どもができたら幸せいっぱいで産むのに必死だから傷なんて気にしないんだろうけどね。降りたくない気持ちのまま妊婦だから辛いよね。」指摘はごもっともな部分もあり。
現役ぶって何がしたいわけじゃないし、市場価値、っていったって、酔った勢いであわよくば的に誘われること? そんなものは価値とは呼べまい。でも、私の会陰…昨日まで名称すら知らなかったそんな部位がこんなにも愛しいなんて。
断ち切れない現役感と会陰への執着はありつつも、消極的なようでいて自分は少なくとも「堕ろす選択肢は考えなかった」ことを認識したのでよしとしよう。友はろくでもないことを言うが、想定外だからこそ友情が続いているのだ。