春先、スーツを着慣れていない、新入社員と思しき若者達が、大きく張った胸とみなぎるエナジィで満員電車をますます狭めてくれる今日この頃。医療業界も例外ではなく、産婦人科でも見慣れない、いかにも初々しい白衣の人々が増えた(医者なのか看護師なのか助産師なのかは判断がつかない)。
小太りの男性が診察室に駆け込んでいったので遅れてやってきた付き添いの人かと思っていたら、超音波検査のときに白衣で現れたため、多分遅刻したのであろう新人産科医であることが分かった。腹部の超音波だからまだいいけど、風貌も、不慣れな手つきも、白衣の雑な着方もそこはかとなく不安を感じさせる。
しかしこちらはまな板の上の鯛。煮るなり焼くなりされるのを待つことしかできない。腹部を出して待っていると、超音波検査用のジェルを、予告なしにたーーーっぷりとかけられた。おフレンチのソース料理だったか…それは新しい。その上、検査装置をやみくもに動かすので、なにがなんだか分からない。「頭です」「右目です」という説明はあるが、まったくそれらの輪郭がつかめない上に、採寸している箇所もなにやら怪しい。前回は見えていた頭や手足のパーツに何かあったのか、ますます心配になってくる。受け取った超音波写真は、今までの中で一番わけがわからない、部位すら判別できない心霊写真状態だった。
ティッシュ箱を手渡してくれずに、「はい、お腹拭いたら結果を待って下さいね」と言って去る新入りセンセイに、「終わった後の始末をしない」男の姿を見る。拭かないでそっぽを向くタイプですね。ティッシュを手繰り寄せて、お腹を拭き始めて二度びっくり。ショーツにペーパータオルを挟んでいるのに、そこに染みて、さらにサイドに流れでて、脇腹とおろしたジーンズも濡れているほどのジェルの量だった。ヌレヌレがお好きなのね。…って、ふざけんな!! お陰で会社に直行するはずが、着替えのために帰宅を余儀なくされてロスタイム…はた迷惑なOJTである。
看護師が横で見ていることもなく彼とは1:1だったし、このヌルヌルの事後放置プレイについてフィードバックする機会は当然ない。だとしたら、この人は気づく機会はあるのだろうか。何人目かの女が、私のできなかった指摘をビシっとしてくれることを願いつつ(それ以上に、もう彼に当たらないことを祈りつつ)、診察室を後にした。冷やしてはいけないはずの腹はジーンズのジェルに浸ったままで…。
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